ドラッグストアで最も知名度が高いフェキソフェナジン製剤をはじめとする第2世代抗ヒスタミン薬を購入し、「数日飲んでも鼻の奥が詰まったまま息が苦しい」と頭を抱える利用者は非常に多く見られます。ネット上でもアレグラFX鼻づまり効果に対する疑問の声が散見されますが、これは薬の品質の問題ではなく、人体の病態メカニズムとのミスマッチによるものです。
鼻づまりの本態は、アレルギー反応や炎症によって鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる粘膜内の毛細血管が拡張し、血液が充満して粘膜がパンパンに腫れ上がること(血管拡張と粘膜浮腫)にあります。抗ヒスタミン成分は、ヒスタミン受容体をブロックして鼻水やくしゃみを止める力に優れるものの、すでに拡張して腫れ上がった血管を収縮させる直接的な作用はほとんど持ち合わせていません。
今まさに息が苦しく、数十分から数時間以内に物理的な空気の通り道を確保したい場合、内服薬で唯一頼りになるのがプソイドエフェドリン配合薬です。プソイドエフェドリン塩酸塩は交感神経刺激薬であり、α1受容体に作用して鼻粘膜の拡張した血管をギュッと収縮させ、腫れを引かせる強力な充血除去作用を発揮します。市販薬としては「パブロン鼻炎アタック」シリーズや「新コンタック600プラス」などに配合されており、服用後30分から1時間ほどで劇的に鼻腔が広がるのを実感できます。
ただし、強力な効果の裏には明確な代償が存在します。プソイドエフェドリンは中枢神経系を興奮させる性質を持つため、不眠や血圧上昇、動悸を引き起こすリスクがあります。日中に仕事で集中したいビジネスパーソンが求める眠くならない鼻づまり内服薬を探す場合、第2世代抗ヒスタミン単剤を選ぶと眠気は防げるものの肝心の鼻づまりが取れず、血管収縮剤配合の内服薬を選ぶと今度は交感神経刺激による興奮や倦怠感のリスクに直面するというジレンマを理解しておく必要があります。