「自然由来の野菜だから体に優しい」という人間の思い込みは、愛犬の体内代謝において時に思わぬトラブルの引き金となります。特に注意が必要なのが、アブラナ科の野菜に共通する微量成分と結石リスクです。
スーパーフードとしてもてはやされるブロッコリーですが、犬のブロッコリー摂取における尿路結石への注意は獣医学的に重要なテーマです。ブロッコリーやほうれん草には「シュウ酸」が含まれており、体内でカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウム尿路結石症を誘発します。この結石は一度形成されると食事療法で溶かすことができず、外科手術での摘出が必要になるケースが少なくありません。与える際は必ず多めのお湯で茹でてシュウ酸を湯汁に溶出させ、茹で汁は絶対に与えずに固形物のみを少量使うのが鉄則です。
また、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科植物には「グルコシノレート(ゴイトロゲン)」と呼ばれる甲状腺ホルモンの合成を阻害する成分が含まれています。健康な犬が少量食べる分には問題ありませんが、甲状腺機能低下症を患っている犬やシニア犬に長期かつ大量に与え続けると、病状を悪化させる懸念があります。