GoogleのサジェストやSNSのタイムラインには、今なおドリームハウスの失敗やドリームハウスの欠陥疑惑といった不穏なワードが並びます。中には「家族がバラバラになって夜逃げした」「構造上の欠陥で裁判沙汰になった」といったショッキングな言説も見受けられますが、こうした噂の9割以上はネットの反応が過熱したことによる誇張と事実誤認です。
建築基準法や瑕疵担保責任の観点から検証すると、番組内で施工された住宅はすべて行政の建築確認申請を正式に通過しており、構造耐力上主要な部分の瑕疵や違法建築といった法義上の「欠陥」が存在したわけではありません。それにもかかわらず、なぜ「欠陥」というレッテルを貼られてしまったのか。そこには「機能的欠陥」と「心理的欠陥」の混同が存在します。
例えば、ドアのないトイレ、外から手元まで丸見えのアイランドキッチン、収納スペースを極限まで削ぎ落としたミニマリズムなどは、建築設計の図面上では「施主の了承を得た独自の仕様」です。しかし、実際に人間が日々の生活を営む現場においては、生活音の漏洩、収納不足による散らかり、視線ストレスといった耐え難い実害をもたらします。第三者の視聴者がテレビ画面越しにそれを見た瞬間、「こんなの欠陥住宅だ」と直感的に断定し、ネット上で拡散されて都市伝説化していったのが実態です。