十五代目片岡仁左衛門の息子は、1968年生まれの長男・片岡孝太郎(かたおか たかたろう)です。屋号は父と同じく「松嶋屋」。歌舞伎界の名門において、父が得意とする立役(男役)に対し、孝太郎は主に女方(おんながた)として独自の地位を確立しました。
仁左衛門の舞台にかけるストイックな姿勢を間近で見て育った孝太郎は、10代の頃から厳しい修練を重ねてきました。上方歌舞伎特有の柔らかみと気品、そして芯の通った情念を表現できる女方として、父・仁左衛門や叔父たちと共に松嶋屋の舞台を支え続けています。
親子の芸風は対照的でありながら、舞台上で共演する際に見せる呼吸の深さは、観客や劇評家から常に絶賛を集めています。伝統の重圧を背負いながらも、父の背中を追い、松嶋屋の芸を正統に受け継ぐ後継者として確固たる信頼を得ています。