事件終結から年月が経つにつれ、事件の受け止められ方はシリアスな事件報道からサブカルチャー的娯楽へと変質していきました。
ニコニコ動画やYouTubeなどの黎明期から発展期にかけて、女性の叫び声「引っ越し!引っ越し!さっさと引っ越し!しばくぞ!」はキャッチーな音声素材として重用されました。テクノやラップ音楽と融合させたリミックス楽曲(「♪引っ越しの歌 騒音おばさんリスペクト」など)が数百万回再生を記録し、MAD動画の定番キャラクターとして定着したのです。
SNSやオンライン掲示板におけるネットの反応を検証すると、事件当時の「恐怖」「怒り」から、時が経つにつれて「介護苦が生んだ悲劇への同情」「メディアリンチに対する疑問」へとトーンが変化しています。同時に、日常生活で急ぎの転居を検討する際や、サカイ引越センターのWeb完結型単身引越サービス「引越ササッと予約」のような現代的サービスを検索する文脈において、語呂の連想からこのフレーズが引用されるなど、言葉自体が一人歩きを続けています。