エアコンのカビ掃除を自分でする落とし穴!スプレーの罠と安全な新常識

エアコンのカビ掃除を自分でする落とし穴!スプレーの罠と安全な新常識

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吹き出し口の奥にある黒カビを消し去りたい一心で、手軽な市販の洗浄スプレーを吹き付ける行為には、構造上の致命的な罠が潜んでいます。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の事故情報収集データによると、エアコン内部の洗浄剤誤塗布に起因する火災事故は後を絶たず、その多くが「自分で掃除しようとして電気基板やファンモーターに洗浄液が付着したこと」を原因としています。基板に液体が侵入すると、ホコリと湿気が結合してトラッキング現象が生じ、使用後数日から数週間が経過した後に突如として出火する事例すら報告されています。

さらに深刻なのは、火災に至らない場合でも「カビの爆発的悪化」を招く点です。市販のエアコン洗浄スプレーは水圧が極めて低く、プロが使用する専用高圧洗浄機(吐出圧3.0〜5.0MPa程度)とは根本的に異なります。そのため、奥深くに付着したカビを洗い流すのではなく、薬剤の界面活性剤と汚れを熱交換器(アルミフィン)の奥へと押し込む結果になります。

十分にすすぎを行えない構造上、残留した洗浄成分と水分は、数週間後には新たな「カビの最高級の栄養源」へと変貌します。作業直後は一時的に芳香剤の香りで誤魔化せても、1ヶ月も経てば以前よりも強烈なカビ臭が吹き出し、黒カビの胞子が部屋中にまき散らされるという悪循環に陥るのです。エアコン掃除失敗による故障リスクの筆頭として、熱交換器の目詰まりやドレンホースの閉塞による室内への漏水事故が挙げられるのもこのためです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。