スタジオジブリの経営や作品の発信において、日本テレビ放送網との長年のパートナーシップは極めて重要な役割を果たしてきた。金曜ロードショーなどを通じた国民的認知の形成から、未来を見据えた経営体制の強化に至るまで、メディアと作品が理想的に共生するモデルを構築してきたのだ。
さらに、愛知県の愛・地球博記念公園内にオープンしたジブリパークは、スクリーンの枠を飛翔した新しい体験の形を提示している。大型アトラクションを作らず、森の風や建物の質感を通じて作品の世界観を追体験させる設計思想は、鈴木が長年描き続けてきた「作品が呼吸し続ける場所」の実現にほかならない。デジタル時代だからこそリアルな体験の価値が高まるという、確かな先見の明がそこにある。