SNSや現地コミュニティ、知恵袋等の相談事例を検証すると、空港のチェックインカウンターや公安窓口で突如として立ち往生するケースが浮き彫りになります。現場取材で見えてきたのは、規則と現場運用の微妙な乖離です。
ダナン国際空港で搭乗を試みた日本人ビジネス関係者は、当時の混乱を次のように明かしています。
「財布ごとパスポートをすられ、現地の交番で書類を作ってもらいました。安堵して空港に向かったところ、保安検査員から『この書類には写真の端に警察の赤い丸印(割印)がないから無効だ』と冷酷に突き返されたのです。便は無情にも出発し、結局バイクタクシーで別の警察署へ引き返し、再度印鑑をもらい直す羽目になりました」
この証言にある「写真への割印(Dấu giáp lai)」こそが、搭乗トラブルの最多要因です。ベトナムの行政文書では、台紙と貼付写真の境界に公印を重ねて押すことで改ざんを防止します。担当警察官がうっかり押し忘れたり、印影がかすれていたりすると、ベトナム航空やベトジェットエアの職員は規定を盾に一切搭乗を認めません。現場での受け取り時に、自らの目で印影の重なりを確認することが絶対防衛策となります。