「トイレの後にちょい漏れする…」と悩む男性の尿漏れは一体なぜ起こるのでしょうか?加齢や前立腺肥大症、骨盤底筋の衰えなど、知っておくべき決定的な理由と自宅でできる改善策を紐解くには、まず男女の身体構造の決定的な違いを理解する必要があります。女性の尿道が約3〜4cmと短く直線的であるのに対し、男性の尿道は約16〜20cmと長く、しかも途中でS字状に2回大きく湾曲しているという複雑な構造を持っています。
この長くて曲がりくねったトンネル構造こそが、男性の尿漏れの原因と理由の核心部分に直結しています。排尿を終えて膀胱の出口が閉じた後も、S字カーブのくぼみ(尿道球部)にはどうしても数ミリリットルの尿が残りやすくなります。健康な状態であれば、排尿の最後に骨盤底筋群の一部である「球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)」がキュッと収縮し、ホースの中に残った水を絞り出すように最後の一滴まで体外へ排出します。
しかし、加齢や運動不足によってこの球海綿体筋と骨盤底筋の収縮力が低下すると、尿道内に数滴〜数十滴の尿が取り残されます。そしてズボンを穿き、歩き出したり椅子に座ったりした瞬間の重力や腹圧の変化によって、残っていた尿がタラリと流れ出るのです。これが医学的に「排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)」と呼ばれる現象であり、いわゆる「ちょい漏れ」の正体です。
さらに、中高年男性において見過ごせないのが前立腺肥大症と過活動膀胱の合併です。膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲んでいる「前立腺」は、50代を過ぎると男性ホルモンの影響などで肥大しやすくなります。肥大した前立腺が尿道を圧迫すると、尿の勢いが弱まり、出し切ったつもりでも膀胱内に尿が残るようになります。膀胱の壁が常に刺激されることで、自分の意思とは無関係に膀胱が収縮してしまう「過活動膀胱」を併発し、強い尿意とともにトイレまで我慢できずに漏れてしまうケースも少なくありません。