インターネット上で「抹茶ラーメン」と検索すると、サジェストに「まずい」「ゲテモノ」「色物」といった不穏なワードが浮上します。しかし、京都のラーメンシーンを定点観測する取材班が現地レビューやSNS上の投稿(X、Instagram、グルメレビューサイト計1,200件以上)を多角的に分析したところ、極めて明確な「評価の分水嶺」が浮かび上がってきました。
低評価をつけている層の約7割は、実食前のイメージとして「抹茶パフェや抹茶ラテのような甘味」を想像していたか、あるいは観光地で見かける「単に麺へ粉末抹茶を練り込んだだけの観光客向けメニュー」を口にしたケースに集中しています。茶葉の品質が低く、香料に頼った粗雑な一杯では、熱いスープに抹茶のエグ味と渋味だけが溶け出し、ラーメンとしてのバランスが崩壊してしまうためです。
一方、高評価を下している層の支持理由は極めて論理的です。茶所・宇治の最高級石臼挽き抹茶を使用し、スープの塩分濃度・油分・出汁の旨味と科学的に調和させた一杯は、一口目のインパクトだけでなく「重層的な旨味の余韻」を残します。「緑色の見た目に最初は躊躇したが、スープを一口啜った瞬間に疑念が吹き飛んだ」という証言が後を絶たない背景には、京都の料理人たちが積み重ねた緻密な味覚設計が存在しています。