では、実際に1億2000万円を出して購入手続きを完了させた人物は存在するのだろうか。結論から言えば、一般的な個人顧客が日常の買い物感覚で購入した例は極めて限られている。しかし、完全な都市伝説というわけでもない。
取材と当時の記録を辿ると、実際に注文を確定させ所有権を手にしたのは、主に海外の富裕層コレクターや、大規模なイベントを主催する海外企業、さらには研究機関であった。特に中東や北米の個人コレクターがプライベートコレクションとして購入した事例が報告されている。また、国内でもプロモーション用や展示目的で特別受注されたケースが存在した。単なるジョークとして扱われがちだった画面の裏側で、数台のクラタスが実際にアトリエから旅立っていたのだ。