2010年代の「四つ打ちロックブーム」の旗手としてメジャーシーンの頂点へと駆け上がったKANA-BOONですが、その道程は決して平坦なものではありませんでした。オリジナルメンバーであるベースの飯田祐馬の脱退(2019年)、その後2020年に高校時代からの盟友である遠藤昌巳が正式加入したものの、2023年末にはドラムの小泉貴裕とギターの古賀隼斗が相次いでバンドを離脱。バンドは一時的な活動休止を余儀なくされ、解散の危機すら囁かれました。
しかし、フロントマンの谷口鮪は歩みを止める道を選びませんでした。2024年春の活動再開以降、ライブ活動では卓越したスキルを持つサポートミュージシャンを迎え入れ、2ピース体制の核を保ちながらステージへ立ち続けています。音楽関係者が集う現場や大型フェスのバックステージ取材において、谷口が見せた覚悟は並々ならぬものでした。自著の手記やインタビューで語られた「KANA-BOONの音楽が誰かの生きる糧になっている限り、僕が歌を止める理由にはならない」という言葉通り、アンサンブルの力強さはむしろ研ぎ澄まされています。
2026年現在、バンドは春の全国ワンマンツアーを敢行しながら精力的に新曲制作を進行中。観客動員は全盛期に匹敵する熱狂を取り戻しており、往年の代表曲はもちろん、今の剥き出しのパッションが注ぎ込まれた新体制のグルーヴは、古くからのファンのみならずZ世代の新規リスナーからも極めて高い評価を獲得しています。