制度上、日本には生活保護をはじめとする手厚い社会福祉制度が整えられている。しかし現実には、真に支援を必要とする生活困窮者の多くが公的扶助の申請をためらう。その最大の障壁となっているのが、厚生労働省の窓口に足を運ぶことを「恥」と捉えさせる、世間の過度な自責の風潮だ。
多くの政治・社会評論家が警告するように、「他人に迷惑をかけてはならない」「困窮したのは自分の落ち度だ」という刷り込みは、憲法が保障する生存権の行使すら阻む凶器と化す。本来、市民を守るための言葉であったはずの責任が、自らの命を縮める内面化された抑圧へと変質しているのだ。