大会の正式名称が「UEFA EURO 2020」のままであったにもかかわらず、検索やファンの日常会話で「ユーロ2021」として広く定着した背景には、未曾有の事態がありました。ユーロ2021 延期 理由となったのは、2020年春に地球規模で拡大した新型コロナウイルス感染症です。UEFA(欧州サッカー連盟)は2020年3月17日の緊急理事会で、選手・サポーターの安全確保と各国国内リーグの完遂を最優先とし、大会を1年延期する苦渋の決断を下しました。
さらに本大会は、大会創設60周年を記念し、従来の単一国・共同開催方式ではなく、ロンドン、ローマ、ミュンヘン、バクーなど欧州全土の11都市にまたがる分散開催という前例のないフォーマットが採用されました。長距離移動に伴うコンディショニングの難しさや、各都市ごとに異なる観客収容制限など、出場24カ国には過酷なマネジメント能力が求められることとなったのです。
とりわけ開幕前から世界中のメディアが熱視線を送ったのが、フランス、ドイツ、ポルトガル、ハンガリーが同居したユーロ2021 死の組(グループF)でした。前回王者ポルトガル、2018年W杯覇者フランス、強豪ドイツが激突したこの組は、毎試合が決勝戦さながらのハイテンションな攻防となり、全チームが死力を尽くす熾烈なサバイバルが繰り広げられました。