事故直後からネット上を席巻したのが、スポンサー関係への配慮から生じる「損害賠償問題」と「オードリーのIKEA出禁説」でした。巨大掲示板やまとめサイトでは「損害賠償額は億単位」「日本テレビの幹部がスウェーデン本社に土下座した」「オードリーは二度とIKEAの店舗に入れない」といったセンセーショナルな言説が飛び交いました。しかし、これらはどこまでが真実なのでしょうか。
結論から申し上げれば、IKEA側から損害賠償請求が行われたという事実は一切存在しません。また、オードリーの出禁処分という噂も完全な虚構です。
事故後、番組制作サイドおよび所属事務所はIKEA側に対して迅速かつ誠実に経緯を説明し、謝罪を行いました。これに対し、IKEAジャパン側の対応は極めて冷静かつプロフェッショナルなものでした。「製品は適切な使用環境において十分な安全性を確保しているが、テレビ番組の演出という特殊な状況下で通常とは異なる負荷がかかった」と状況を正確に把握し、法的手続きやペナルティを課すような措置は取りませんでした。
むしろ、この放送事故は逆説的な経済効果を生み出しました。事件直後から「オードリーが破壊した椅子」を一目見ようと店舗に足を運ぶ客が急増し、ネット通販でも「ポエング」の閲覧数と購入数が跳ね上がるという珍現象が発生したのです。「大の大人が2人がかりで本気で負荷をかけてようやく壊れるレベルの頑丈さ」であることが、視聴者の間で実証される形となり、結果として巨額の宣伝費をかけたプロモーション以上の認知拡大を達成することとなりました。