滋賀県のシンボルである琵琶湖について、多くの人が抱く最大の疑問が「県全体の何割を占めているのか」という点です。公式発表資料である国土地理院の『全国都道府県市区町村別面積調』によると、滋賀県の総面積は4,017.38平方キロメートル、琵琶湖の面積は669.23平方キロメートルとなっています。
計算すると、滋賀県総面積に占める琵琶湖の占有率は約16.66%であり、分数に換算すれば「約6分の1」という計算になります。「県土の3分の1から半分が水域である」と信じ込んでいた人々にとって、この数値は予想を大きく下回るインパクトを持っています。
なぜこれほどまでに強固な誤解が全国的に広まったのでしょうか。その背景には、人間の空間認識における「認知バイアス」と滋賀県特有の地形配置が深く関係しています。
滋賀県の地図を開くと、中央に琵琶湖が堂々と横たわり、その周囲に近江八幡、彦根、大津、草津といった主要都市がドーナツ状に配置されています。人間は地図を見る際、居住地や交通網が集まる平野部に視線を集中させる傾向があります。滋賀県の土地利用構造を見ると、県土の約半分(約50%)を森林が占めており、伊吹山地、鈴鹿山脈、比良山地といった急峻な山々が周囲を取り囲んでいます。
つまり、「目に入る平地面積」に対して琵琶湖が極めて巨大に見えるため、脳内で「滋賀県=平野部+琵琶湖」という短絡的な図式が形成され、「面積の半分が琵琶湖である」という錯覚が定着したのです。