日本の芸能界において、セクシュアリティの開示は長らく「キャリア上のタブー」と目されてきた。プロダクション側が本人の希望を抑え込み、スキャンダル回避という名目で隠蔽に動く光景は珍しくなかった。しかし、その潮目が変わった。時代の要求が「型にはまった偶像」から「等身大のリアリティ」へとシフトしたからだ。
取材に応じた民放関係者は「以前なら番組を降りざるを得なかったような過剰な週刊誌報道に対し、局側も安易に降板に応じない耐性がついてきた」と明かす。当事者が自らカミングアウトを選択するケースが増えた背景には、SNSを通じたファンとの直接的なつながりもある。事務所のフィルタリングを通さず、己の言葉で意思を表明できる環境が整ったことが、長年の暗黙の了解を崩しつつあるのだ。