「小京都」と称される角館の魅力は、趣の異なる2つの圧倒的な桜景色が徒歩圏内に凝縮されている点にあります。
1つ目の主役が武家屋敷通りのシダレザクラです。江戸時代から続く旧武家屋敷が立ち並ぶ通りには約450本のシダレザクラが植えられており、そのうち162本が国の天然記念物に指定されています。黒板塀の重厚な佇まいと、天から降り注ぐように咲き乱れる薄紅色の花びらのコントラストは息をのむ美しさです。青柳家や石黒家などの名家を背景に切り取る景観は、日本の伝統美の極致と言えます。
もう1つの主役が、武家屋敷通りから歩いてすぐの場所に位置する桧木内川堤のソメイヨシノです。1934年(昭和9年)の上皇陛下(当時皇太子)ご生誕を記念して植樹されたこの桜並木は、川の堤防沿い約2キロメートルにわたって約400本のソメイヨシノが咲き誇ります。満開時には頭上を完全に桜の花が覆い尽くし、圧巻の桧木内川堤 桜のトンネルを形成。国の名勝にも指定されており、川のせせらぎと遠くに残雪を残す奥羽山脈の山並みを借景にした開放感あふれる風景が広がります。