甘夏特有の「ほろ苦さ」の主成分は、柑橘類の皮や薄皮(じょうのう膜)に多く含まれるポリフェノールの一種「ナリンギン」および「オーラプテン」です。これらは過熟防止や害虫防御の役割を持つ天然成分ですが、近年では強い抗酸化作用、毛細血管の強化、アレルギー抑制効果などが報告されています。生食で苦味を抑えたい場合は、外皮だけでなく薄皮を綺麗に剥いて果肉(砂瓤)だけを取り出して冷やすと、爽やかな甘みと果汁感をダイレクトに楽しめます。
また、栄養面ではビタミンCが温州みかんの約1.3倍(可食部100g中約33〜40mg)含まれており、春先の免疫力サポートや美肌維持に貢献します。さらに豊富なクエン酸は、春の環境変化による疲労回復や食欲増進を強力に後押しします。
甘夏は厚い外皮にも芳香成分(リモネン)と栄養が凝縮されているため、捨てずに「甘夏ピール」や「自家製マーマレード」へ加工するのが通の楽しみ方です。外皮を薄く千切りにし、3回ほど茹でこぼして苦味を調整した後、果皮の重量の約60〜80%の砂糖と果汁を加えて弱火で煮詰めるだけで、香気あふれる無添加マーマレードが完成します。