日本料理の職人が受け継ぐ天丼のタレのプロのレシピにおいて、味の骨格となるのは「本みりんの質」と「アルコールの飛ばし方(煮切り)」です。単に調味料を混ぜ合わせて加熱するだけでは、アルコールの角が残り、甘みに深みが出ません。
家庭で最も再現性が高く、老舗の江戸前天丼に近い濃厚なコクを生み出す基本比率は以下の通りです。
- 醤油(濃口):大さじ2
- 本みりん:大さじ2
- 砂糖(上白糖または三温糖):大さじ1
- 出汁(鰹と昆布の合わせ出汁):大さじ1〜2
この醤油・みりん・砂糖の配合比率(2:2:1)こそが、天丼のタレの黄金比として長年愛されてきた黄金フォーミュラです。調理手順としては、まず小鍋にみりんと砂糖を入れて中火にかけ、みりんのアルコール分をしっかり飛ばしながら砂糖を完全に溶かします。その後、醤油と出汁を加え、弱火でアクを取りつつ約2/3の量になるまで軽く煮詰めることで、醤油の華やかな香りを残しながら丸みのある塩味と艶やかな照りを引き出せます。
出汁を一から引く時間がない場合は、天丼のタレに顆粒だしを少量(小さじ1/4程度)加えるだけでも十分に旨味の底上げが可能です。ただし、顆粒だし自体に食塩が含まれていることが多いため、加える際は醤油の量をほんの少し控える微調整がプロの技と言えます。