浴槽を満たすのは、わずかに黄褐色を帯びたナトリウム・塩化物温泉。肌に触れた瞬間に感じるのは、驚くほど滑らかなとろみだ。塩分が肌の表面をヴェールのように包み込むため、湯上がりの保温効果は群を抜く。冬の厳しい新潟において、この湯が「温まりの湯」として親しまれてきた理由が肌感覚で理解できる。
日本温泉協会の査定でも高い評価を受けるこの泉質について、温泉指南役として知られる遠間和広氏の言説を引くまでもなく、成分バランスの妙は折り紙付きだ。湯口から注がれる湯の鮮度管理は徹底されており、酸化を防ぎつつ効能を最大限に引き出す湯守の職人技が、毎朝の湯張り作業に息づいている。