2002年のK-1電撃参戦から瞬く間にトップ戦線へ駆け上がったボブサップのK-1全盛期において、彼の快進撃は常にバラエティ番組と二人三脚の構造にありました。「20世紀最強の暴君」と恐れられたアーネスト・ホーストをパワーでねじ伏せて2度破るという衝撃のジャイアントキリングを成し遂げた直後、彼は民放各局のゴールデン特番をジャックしていきました。
その人気を決定的なものにしたのが、フジテレビ系バラエティ『めちゃ×2イケてるッ!』への出演でした。ナインティナインの岡村隆史らレギュラー陣との絡みにおいて、怒りの表情から一転して満面の変顔を繰り出し、完璧な間合いでバラエティの「お約束」をこなす姿は、視聴者に「野獣なのに愛せるキャラクター」として完全に定着しました。ボブサップのめちゃイケ出演は、格闘技ファン以外の主婦層や小学生のハートを根こそぎ掴むきっかけとなったのです。
さらに広告業界を激震させたのが、2003年に放映されたボブサップのピップフジモトCM(現・ピップ『ピップマグネループ』)でした。2メートル近い大男が肩こりに悩み、首元に磁気ループを当てて「効くぅ〜」とばかりに白目を剥くユニークな演出は、CM総研の好感度ランキングで首位を獲得。強面格闘家が日用品の広告塔としてお茶の間で微笑ましく受け入れられるという、前代未聞のメディア現象がここに完成しました。