ビジネスの主戦場がメールからSlack、Microsoft Teams、LINE WORKSなどのビジネスチャットへ移行したことで、挨拶の距離感に対する意識摩擦が多発しています。コミュニケーションの即時性が求められるあまり、敬語の簡略化が進む若手層と、従来の形式美を重視する管理職層の間で受け止め方にズレが生じているのです。
大手ビジネスマナー研究所やコミュニケーション関連団体の意識調査などを参照すると、40代〜50代の管理職層の約68%が「社外や目上からのチャット連絡で『ご無沙汰してます』と送られてくると違和感を覚える」と回答しています。ネット上の相談窓口や知恵袋、SNSの投稿を検証しても、次のようなリアルな不満が散見されます。
「2年ぶりに元部下から届いた連絡が『〇〇さん、ご無沙汰してます!案件の相談なんですが』だった。用件がある時だけフランクに連絡してくる態度に疑問を感じた」(40代・IT企業マネージャー)
「社外の協業先からチャットで『ご無沙汰してますー』と届いた瞬間、ビジネスマナー研修を受けていない会社なのかと警戒してしまった」(50代・製造業役員)
一方で、発信側の若手社員からは「チャットで『大変ご無沙汰しております』と書くと堅苦しすぎて会話のテンポが崩れる」「距離を縮めるためにあえて柔らかく書いている」という主張も存在します。しかし、テキストコミュニケーションにおいて「丁寧すぎて失礼になること」は滅多にありませんが、「馴れ馴れしくて不快にさせるリスク」は常に隣り合わせです。チャットツールであっても、相手が社外や目上であるならば「ご無沙汰しております」と端正に切り出すのがリスク管理の鉄則と言えます。