韓国の大統領選挙は、国民の直接投票によって行われ、得票数が1票でも多い候補者が当選する完全小選挙区的な性格を持つ。この勝者総取り(Winner-takes-all)のシステムが、社会を真っ二つに分断する激烈な保革対立を加速させる。
韓国政治の二大潮流である「保守派(現・国民の力)」と「革新派(現・共に民主党)」は、対日認識においてまったく異なる世界観に立脚している。保守派は日米韓の安全保障協調と経済的実利を優先し、歴史問題には一定の区切りをつけようとする傾向が強い。一方の革新派は、民族自主や歴史的正義の清算を最上位に掲げ、日本に対する妥協を「親日独裁勢力の残滓」とみなして徹底追及する姿勢をとる。
歴代政権の軌跡を振り返ると、1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小泉純一郎首相が「日韓共同宣言」を発表し、文化開放を進めた稀有な成功例はあるものの、多くは反日の罠に捕らわれてきた。保守の李明博(イ・ミョンバク)大統領は任期末期の2012年に支持率浮揚を狙って歴代大統領として初めて島根県・竹島に上陸。続く朴槿恵(パク・クネ)政権は「加害者と被害者の立場は千年の歴史が流れても変わらない」と世界中で告げ口外交を展開した。
その極致に達したのが革新系の文在寅(ムン・ジェイン)前政権である。元徴用工判決や慰安婦合意の事実上の破棄を容認し、官製不買運動(NO JAPAN)を煽り立てた結果、日韓関係は国交正常化以来最悪とまで称される氷河期へと突入した。