『ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜』の歌詞(作詞:藤林聖子)を精緻に読み解くと、単なるバトルアニメのテーマソングを超えた、ジョースター家とDIOによる100年に及ぶ因縁の総決算が克明に描かれている事実が浮かび上がります。
まず注目すべきは冒頭から中盤にかけて配置された空間的・時間的な言葉の配置です。「砂漠に始まり 砂漠に終わる」という導入は、承太郎一行が挑むエジプト上陸からカイロ市内での決戦までの過酷な旅路を指し示すと同時に、初代ジョナサン・ジョースターから続く因縁の旅が砂の都で決着を迎える宿命を宣言しています。さらに、随所に散りばめられた歌詞のふりがなや響きには、作品の重要モチーフが幾重にもオーバーラップしています。
特に圧巻なのが、終盤のサビに向けて加速する「時間」に関するフレーズ群です。「途切れる鼓動」「止まった時間」を連想させる緊迫したリリックは、DIOのスタンド「ザ・ワールド」が持つ時止め能力の決定的な暗示にほかなりません。作中で承太郎たちがDIOの正体不明の能力に翻弄され、仲間が命を落としながらその謎を解き明かしていくプロセスそのものが、歌詞の起承転結に見事にトレースされています。
また、タイトルの「end of THE WORLD」というサブタイトル自体が、DIOのスタンド「THE WORLD」を終わらせるという強い決意と、世界を揺るがす最終決戦の終局という二重の意味(ダブルミーニング)を内包しています。「裁くのは…おれだ!」という承太郎の象徴的な決め台詞に至るまでの心の軌跡が、藤林聖子氏の筆によって極限の密度で言語化されているのです。