侵襲を伴う手技である以上、腎生検 合併症のリスクをゼロにすることはできません。東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科の公開資料によると、日本国内で年間約1万人が受けている中で、起こりうる偶発症とその頻度は高度に体系化されています。
頻度の高い合併症として挙げられるのが、穿刺針の軌道から漏れ出る出血です。微小な血尿(顕微鏡的血尿)は受検者のほぼ全例に見られますが、目に見えて赤くなる肉眼的血尿の発生率は数パーセント程度です。また、腎臓の表面から血液が漏れて被膜の下に溜まる「腎周囲血腫」も一定数発生しますが、多くは無症状であり、数週間から数カ月かけて体内に自然吸収されます。
一方で、患者が恐れる腎生検 後遺症と危険性についても客観的な数値を知っておく必要があります。血管造影による動脈塞栓術(カテーテルによる止血術)や輸血を必要とする重篤な出血が生じる確率は、統計上0.1〜0.5%程度と極めて稀です。外科的手術による腎摘出や死亡に至るような最悪のケースは0.01%以下と報告されています。
北里大学病院腎臓内科の公式見解でも示されているように、超音波ガイド下針腎生検は熟練した指導医を含む複数の医療スタッフ体制で実施されます。ただし、高度肥満体型で皮下脂肪が厚く超音波で腎臓の境界が不鮮明なケースや、息止めがうまく合わない場合などでは手技難度が上がります。事前に造影CTやMRI、大垣中央病院などの検査知見にあるような嚢胞・腫瘍の有無をスクリーニングし、構造異常を徹底排除した上で安全マージンを確保して行われるのが現代の医療水準です。