耳の周りに突如現れるしこりや腫れに対して、まず確認すべきは「圧迫したときや安静時に痛みがあるかどうか」です。この症状の有無によって、身体の中で起きている生体反応の正体が大きく二分されます。
患部を押すと痛い、あるいは何もしなくても耳たぶの腫れがズキズキ痛む理由の多くは、細菌感染に伴う急性の炎症反応です。皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌などが毛穴や傷口から侵入すると、免疫細胞が戦う過程で患部が赤く熱を持ち、拍動性の痛みが生じます。また、風邪や上気道炎をきっかけに耳の裏や首のリンパ節が防御反応として肥大化する際にも、周囲の神経を刺激して強い圧痛を伴います。
一方で、耳たぶのしこりで痛くないケースでは、皮膚の下に老廃物が溜まる袋状の構造物や、緩やかに増大する良性の組織変化が疑われます。痛まないからといって無害とは限らず、内部で徐々に拡大したり、ある日突然細菌が侵入して急激な化膿を起こす爆弾を抱えている状態も珍しくありません。さらに、硬くて動かない無痛性のしこりは、稀に悪性リンパ腫などの重大な病変が隠れている場合もあるため、痛みの有無だけで安易に自己完結させるのは極めて危険です。