ネット上の口コミ掲示板やSNS、知恵袋などに蓄積された患者の生々しい声を精査すると、評価は真っ二つに分かれます。一方では「スタッフの対応がホテルのように丁寧で救われた」「不安なときに看護師が手を握ってくれた」という絶賛が並ぶ反面、「予約していたのに2時間近く待たされた」「会計までのプロセスが長すぎる」という待ち時間への苦言が後を絶ちません。
なぜ、最新のIT予約システムを導入しているにもかかわらず、待ち時間が発生するのでしょうか。現場を取材する医療関係者は、その構造的背景を次のように指摘します。
「聖路加の医師は、単にモニターの検査数値を見るのではなく、患者の言葉に耳を傾ける診療スタイルを徹底して叩き込まれています。1人の患者が重篤な宣告を受けたり複雑な相談を持ちかけたりすれば、当然ながら予定の診察時間は15分、30分と延びていく。その結果として後続の予約にシワ寄せがいくのです」
また、同院が東京都の三次救急を担う「救命救急センター」を備えている点も見逃せません。一般外来の裏側で、急患や緊急オペが同時並行で進行しており、担当医が急遽対応に追われる事態が日常的に発生します。「待ち時間の長さ」は、予約管理の不備というよりは、一人ひとりの患者へ妥協なく向き合う診療姿勢と急性期医療の宿命の裏返しと言えます。
初診の予約方法に関しても注意が必要です。基本的には地域のクリニック等で発行された「紹介状(診療情報提供書)」を手元に用意し、予約センターへの電話やWEB経由で枠を確保するのが正規ルートです。紹介状を持たずに当日直接受診することも制度上は可能ですが、高額な選定療養費が診察代とは別に加算される上、紹介患者が優先されるため、半日以上待たされるケースも珍しくありません。スムーズな受診には、事前の綿密な手続きが不可欠です。