映画『ノストラダムスの大予言』をめぐる言説は、当時劇場でリアルタイム体験した世代と、ネット上の情報を通じて知った若い世代との間で大きなギャップが存在します。
SNSや映画レビューコミュニティに残された当時の観客の回想録を検証すると、「小学生の時に映画館で観て、本当に世界が終わると思って夜眠れなくなった」「公害の恐ろしさとトラウマ級の映像が脳裏に焼き付いて離れない」といった、強烈な恐怖体験としての記憶が圧倒的多数を占めます。1970年代特有のざらついたフィルムの質感と、舛田監督による容赦のないバイオレンス演出は、当時の児童層に深い傷痕を残しました。
一方で、近年の映画マニアや特撮研究家の間では、単なるオカルト映画ではなく「先見性に富んだ硬派な環境告発映画」としての再評価を求める声も根強く存在します。異常気象、オゾン層破壊、感染症の蔓延など、21世紀に現実化している地球規模の危機を半世紀も前に予見していたプロットの緻密さは、脚本を手掛けた重野知央や八住利雄の卓越した洞察力を示しているとも評されます。