『ピタゴラスイッチ』の根底に流れる哲学を語る上で欠かせないのが、企画・監修を務める佐藤雅彦氏と、クリエイティブグループ「ユーフラテス(EUPHRATES)」の存在です。
佐藤氏は、広告クリエイターとして数々の伝説的CMを手掛けた後、慶應義塾大学や東京藝術大学の教授としてメディア論や認知表現の研究を牽引してきた碩学です。佐藤氏が番組を通じて提示し続けているのは、知識そのものを教え込むのではなく、「考え方の考え方」を授けるという教育観です。
あの有名なピタゴラ装置を例に取ると、装置の驚きは単にボールが転がることにあるのではなく、「見えない物理法則や因果律が、視覚的に鮮やかに立ち現れる瞬間」にあります。あえて動力を見せる、失敗の可能性を感じさせながら絶妙なバランスで成功させる、といった緻密な演出設計こそが、見る者の脳内に強烈なカタルシスと知的興奮を生み出す仕組みの秘密です。