本谷有希子の芥川賞『異類婚姻譚』徹底解剖!異色経歴と現在の評価

本谷有希子の芥川賞『異類婚姻譚』徹底解剖!異色経歴と現在の評価

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本谷有希子氏のキャリアは、日本の純文学作家の中でも極めて異例の足跡を辿っています。石川県出身の彼女は高校卒業後に上京し、舞台芸術の世界へ飛び込みました。その才能が最初に広く世に出たのは、1998年に放送された庵野秀明監督のアニメ『彼氏彼女の事情』のメインキャラクター・沢田亜矢役としての声優活動でした。独特の存在感と声質でアニメファンの間でも強い印象を残しましたが、彼女自身の情熱は次第に自らの言葉で物語を立ち上げる「作・演出」へと向かっていきます。

2000年には自らのプロデュースユニット「劇団、本谷有希子」を旗揚げ。人間の自意識の過剰さや毒気、醜い欲望を剥き出しにする会話劇で若者を中心にカルト的な人気を獲得しました。2007年には小説『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が映画化され大ヒットを記録。さらに2009年には戯曲『幸せ最高ありがとうマジで!』で演劇界の芥川賞とも称される第53回岸田國士戯曲賞を史上最年少(当時29歳)で受賞し、劇作家としての評価を絶対的なものにしました。

小説家としても早くからその才気を発揮し、2006年に『江利子と絶対』で第136回芥川賞候補、2008年に映画化もされた名作『生きてるだけで、愛。』で第139回候補、2009年に『あの子の考えることは変』で第141回候補と、立て続けに芥川賞候補に選出されます。劇作家としての圧倒的な筆力と、小説表現ならではの心理描写の深化が結実するまでの道のりは、まさに表現者としての不断の挑戦の歴史でした。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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