怒号とカメラのフラッシュが交錯する記者会見の場。重苦しい空気の中でも、彼の言葉は平易で、かつ感情に寄り添うものだった。従来の大物芸能幹部にありがちな高圧的な態度は一切ない。まさに高度な危機管理広報のあり方を実践してみせたと言える。記者からの厳しい追及に対しても正面から向き合い、時に自らの不徳を認めながら対話の姿勢を崩さなかった。
この危機において、ともに前線に立った東山紀之氏との二人三脚も欠かせない視点だ。表舞台からの引退を決意し補償業務に専念する東山氏と、現場のタレントやスタッフの動揺を抑えながら新体制への橋渡しを担う井ノ原氏。両者の分業と連携は、崩壊の危機に瀕した老舗芸能プロダクションの混乱を最小限に食い止める防波堤となった。