音楽評論家や愛好家が新交響楽団を語る際、判で押したように言及するのがその「突出した演奏水準」と「野心的なプログラム設計」です。一般的な市民オーケストラが敬遠しがちな長大な近代管弦楽曲や、複雑怪奇なリズム・スコアを持つ現代音楽をメインディッシュに据える姿勢は、半世紀以上にわたり貫かれています。
新響の活動の骨子を支える代表的な特徴は以下の3点に集約されます。
第一に、日本の近現代音楽の掘り起こしと再評価です。創設者である芥川也寸志をはじめ、伊福部昭、黛敏郎、團伊玖磨、武満徹ら日本の代表的作曲家のスコアを精力的に取り上げ、作曲家自身への追悼公演や歴史的初演の再現を幾度も実現させてきました。
第二に、客演指揮者の豪華な顔ぶれです。山田一雄、井上道義、飯守泰次郎、小泉和裕、下野竜也といった日本を代表する名匠たちがタクトを執り、妥協を排した徹底的なリハーサルを積み重ねることで、アマチュアの枠組を遥かに凌駕するアンサンブルの構築に寄与してきました。
第三に、サントリーホールや東京芸術劇場といった国内最高峰の音響空間を満席にする集客力です。約100名の団員が織りなす厚みのある弦セクションと、難曲を吹きこなす金管・木管の安定感は、定期演奏会へ足を運んだ聴衆の口コミによって盤石のブランド価値を築き上げています。