ポスターをパッと見ただれもが、中央で笑顔を見せる節子とそれを見守る清太の姿に目を奪われる。背景は深い闇に包まれ、オレンジ色の光がふんわりと二人を照らしている。昭和の劇場公開時、あるいは初期のVHSやDVDパッケージでは、この背景は単なる「夜の暗闇」として受け取られていた。
しかし、近年の高精細モニターや画像補正技術によって状況が一変する。背景の黒い部分の明度を上げると、画面上部中央にB-29の機体がくっきりと現れるのだ。かつて宣伝用に作られたグラフィックが、デジタルの光によって解読された瞬間だった。意図的に潜ませられたこの影は、幼い兄妹に刻一刻と迫る死の運命そのものを象徴している。