普通免許で原付は乗れる?125Cc新基準の罠と2026年交通ルール全貌

普通免許で原付は乗れる?125Cc新基準の罠と2026年交通ルール全貌

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半世紀以上にわたり、日本の生活の足として郵便配達や新聞配達、日々の通勤・通学を支えてきた50ccバイクがなぜ姿を消すことになったのか。その引き金となったのは、国際協調のもとで段階的に適用されてきた「令和2年排出ガス規制(欧州のユーロ5相当)」です。この規制の適用猶予期限が2026年11月に設定されていました。

排出ガス規制をクリアするためには、排気管内に三元触媒(キャタライザー)を配置し、走行中の化学反応によって一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を浄化しなければなりません。しかし、排気量がわずか50ccしかない小排気量エンジンでは、触媒を急速に加熱して活性化温度に到達させるだけの排気熱量を確保することが極めて困難でした。さらに、電子制御燃料噴射装置(FI)や複数の高精度センサー、高密度触媒を車体に詰め込むと、車両本体価格が1台あたり数十万円単位で跳ね上がり、経済的な実用車としての市場価値が完全に崩壊するという構造的袋小路に直面したのです。

日本自動車工業会(JAMA)の技術検討部会が提出した調査報告や報道各社の取材データによれば、国内二輪メーカー各社は「採算の取れるコスト内で50ccエンジンを規制に適合させるのは技術的限界を超えている」との結論に達しました。ホンダの看板車種であった「スーパーカブ50」のファイナルエディション発表に象徴されるように、各社は相次いで50cc内燃機関の生産終了をアナウンスしました。

しかし、全国で約450万台が稼働する原付一種市場を突如消失させれば、過疎地の高齢者や配達インフラの足が根底から奪われます。そこで警察庁と国土交通省が下した現実的な決断が、「世界標準であるグローバルな110cc〜125ccの車体を流用し、エンジン出力だけを電子制御で50cc並みにデチューン(4.0kW以下に制限)する」という新基準原付制度の策定でした。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。