清仁軒の店頭で繰り広げられる行列の主たる目的、それは圧倒的な完成度を誇る手打ちワンタンメンにあります。注文が入るごとに熟練の力加減で手揉みされる麺は、厚みと幅がランダムに波打つ多加水の手打ち平打ち麺。熱々のスープをたっぷりと抱き込み、口の中で踊るような弾力と、滑らかな喉越しを同時に生み出します。
麺の選択肢として用意されている「手打ち麺」と「細麺」には明確な個性差が存在します。
- 手打ち麺:青竹打ちをルーツに持つ本格手打ち。噛み締めるほどに小麦の香りが弾け、麺そのものの存在感が強い。スープの油分と絡み合うことで、モチモチとした力強い食感が持続します。
- 細麺:しなやかなストレート系で、スープの繊細な出汁感をダイレクトに味わいたい層や、テンポよく啜りたい常連客に根強い支持を得ています。
そして、麺の上に美しく広がるワンタンは、皮の薄さが極限まで追求された逸品です。箸で持ち上げると破れそうなほど繊細でありながら、熱々のスープを吸ってトゥルンと滑空するように喉を通り抜けます。包まれた豚挽き肉の餡は生姜の風味がピリリと効かされており、淡麗な醤油スープにキレのあるアクセントを付与しています。
さらに見逃せないのが、サイドメニューの枠を超えて愛されるカレーライス(およびミニカレー)の存在です。ラーメンの仕込みで使われる上質なスープとラードのコクをベースにしたこのカレーは、いわゆる町中華や蕎麦屋のカレーを極限まで洗練させた味わい。玉ねぎの甘みとスパイシーさが絶妙に同居しており、ラーメンの醤油味と交互に味わうことで、味覚の満足度を極大化させます。