クチャラー問題の背景には、本人の意思や育ちとは無関係な「身体的・解剖学的な障害」が隠されていることが少なくありません。口を閉じて物を噛むためには、鼻で正常に呼吸ができることが大前提となります。
代表的な身体的要因は以下の通りです。
- 慢性鼻炎・鼻中隔湾曲症・アデノイド肥大:鼻腔の通りが悪い人は、食事中に口を閉じると呼吸ができません。窒息を防ぐための生理的反応として、無意識に口を開けて咀嚼しながら呼吸を確保しています。
- 不正咬合(出っ歯・受け口・開咬):上下の歯や顎が正しく噛み合わない場合、唇を自然に閉じることが構造的に困難になります。無理に閉じようとすると口元に強い緊張が生じるため、開けたまま噛むほうが楽に感じられます。
- 顎関節症および口輪筋の筋力低下:顎を動かす際に痛みやカクカクとした異音が生じる顎関節症の患者は、顎への負担を避けるために口を開き気味にして噛む癖がつきやすくなります。また、柔らかい食べ物を好む現代的な食習慣により、唇周囲の筋肉(口輪筋)が衰えているケースも目立ちます。