鼻血が出た瞬間に「とりあえずティッシュを詰めて上を向く」という行動をとる人は、今なお少なくありません。しかし、医療の現場ではこの2大行動こそが止血を阻害し、二次トラブルを引き起こす典型例として警告されています。
まず、鼻血にティッシュはダメな理由は、ティッシュペーパーの構造と粘膜への物理的刺激にあります。乾燥したティッシュの繊維は硬く、荒れた鼻腔粘膜を摩擦でさらに傷つけてしまいます。また、血液が固まりかけて「かさぶた(フィブリン血栓)」ができた段階でティッシュを引き抜くと、せっかく塞がった傷口を再び剥がしてしまい、再出血を引き起こす悪循環に陥るのです。さらに、市販のティッシュは滅菌処理されていないため、傷口から細菌感染を引き起こすリスクもゼロではありません。
次に、鼻血で上を向いてはいけない理由は極めて深刻です。頭を後ろに倒すと、鼻から出た血液が喉の奥へと流れ落ちていきます。血液が気管に入れば激しいむせ込みや窒息の危険があり、胃に流れ込むと胃酸と反応して強い吐き気や嘔吐を誘発します。大量の血液を飲み込んでしまうと、正確な出血量が把握できなくなり、医療機関での重症度判定を誤らせる原因にもなります。
なお、昭和期によく見られた「首の後ろをトントン叩く」という風習も、医学的根拠は一切ありません。むしろ振動によって血流が刺激され、止血を遅らせるだけですので即刻やめましょう。