ボンタンアメを語る上で欠かせないのが、一粒ずつ包んでいる透明なオブラートです。初めて食べる若い世代や海外の方の中には「セロハンやプラスチック包装と勘違いして必死に剥がそうとした」というエピソードが後を絶ちません。
このオブラートはでんぷん(馬鈴薯でんぷん等)から作られた可食性フィルムであり、剥がさずにそのまま口に入れて食べるのが本来の正しい食べ方です。口の中の水分や唾液で瞬時に溶け、飴が指にくっつくのを防ぎつつ、なめらかな舌触りを生み出します。
大正時代、創業者である四元保興氏が「水飴を練り固めた餅菓子が互いにくっつかないようにする工夫」として、当時薬の服用に使われていたオブラートに着目したのが始まりとされています。南九州特産の柑橘類「文旦(ボンタン)」の果汁とエキスを抽出し、もち米、水飴、砂糖と絶妙な火加減で練り上げる製法は、創業から1世紀を超えた今もセイカ食品の職人精神とともに受け継がれています。