小児神経科医や臨床心理士などの専門家見解において、知的発達症(知的障害)単体で特異的な顔立ちが形成されるという医学的根拠は一切ありません。知能指数の高低と頭蓋骨・鼻梁・目元の解剖学的形状との間に相関関係は認められていないのが現代医学の明確な結論です。
それにもかかわらず外見の特徴が取り沙汰される背景には、知的障害を引き起こす背景要因(基礎疾患)の違いがあります。遺伝子や染色体の変化を伴う症候群性の疾患では、骨格形成の段階で特有の兆候が現れることがあり、これが一般に「知的障害の顔」として混同されて広まったと考えられます。
特に認知度が高い軽度知的障害の見ための違いについて言えば、身体的特徴は定型発達の人々と完全に一致しており、外見から判別することは不可能です。思春期や成人期になって社会生活の複雑さに直面して初めて発見されるケースが多いのも、見た目に何ら違いがないことの明確な裏付けと言えます。