外出先で突然吹き出す汗を「今すぐ」止めたいとき、最も頼りになるのが生理学的メカニズムを利用した物理的アプローチだ。かつてNHK「あさイチ」などの情報番組でも舞妓の知恵として紹介され反響を呼んだのが、皮膚圧反射(半側発汗)を活用したテクニックである。これは、身体の特定部位を圧迫すると、その圧迫部位と同じ上半身の汗が抑えられ、反対側に発汗が分散するという神経反射だ。
手軽に実践できるポイントは、両胸のバストトップから約5センチ上あたり(屋翳・うえい)や脇の下(大包・だいほう)を、指先や着物の帯の要領でやや強めにグッと押し込むこと。交感神経の局所的な反応が一時的にブロックされ、数分で顔面の汗が引き始める。さらに、首の後ろにある太い血管(頸動脈)や手のひらを保冷剤で急冷することで、脳の体温中枢に「身体は冷えている」と即座にシグナルを送るのが極めて有効だ。