自転車の車道走行はむしろ危ない?法改正と現場の乖離を徹底検証

自転車の車道走行はむしろ危ない?法改正と現場の乖離を徹底検証

自転車の車道走行はむしろ危ない?法改正と現場の乖離を徹底検証について徹底解説いたします。最新の情報をお届けします。

多くのサイクリストや日常の通勤・通学利用者が「車道を走るのが怖い」と口を揃えるのは、決して単なる心理的な不安だけではありません。道路交通の現場には、車道走行を極めて危険なものにしている具体的な構造的要因が存在します。

第一の要因は、物理的な路肩・路側帯の狭さと路面状態の悪さです。日本の市街地道路の多くは車道幅員に余裕がなく、白線の外側(路側帯)はわずか数十センチ程度しか確保されていない場所が目立ちます。さらに、道路の端には雨水枡のグレーチング(金属格子)、舗装のひび割れ、段差、ゴミや小石の堆積が集中しており、細いタイヤの自転車がスリップや転倒を起こしやすい環境になっています。

第二の要因が、大型車両による「幅寄せ」と風圧の恐怖です。路線バスや大型トラックが数十センチの距離ですれ違う際、吸い寄せられるような強烈な風圧(引き込み現象)が発生します。自転車利用者が少しでもふらつけば即座に巻き込み事故につながるため、利用者は極度の緊張を強いられます。

第三に、自転車専用通行帯(自転車レーン)を塞ぐ路上駐車と「ドア開き事故」が挙げられます。青くペイントされた専用レーンがあっても、配達車両やタクシー、一般車がハザードを焚いて停車しているケースが常態化しています。これを避けるためには、後方から猛スピードで走ってくる自動車の車線へ大きく膨らんで合流しなければならず、この進路変更時に後続車と接触する重大事故が頻発しています。また、停車車両のドアが不意に開く「ドアリング(Dooring)」による衝突も車道ならではの致命的な罠です。

第四の要因は、自動車との圧倒的な「速度差と質量差」です。時速15〜20km程度で走る一般の自転車に対し、車道を走る自動車は時速40〜60kmで接近します。歩道での事故に比べて、車道における自動車対自転車の事故は致死率が跳ね上がるという物理的な現実が、利用者に「車道はむしろ危ない」と直感させています。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。