多くのドライバーが陥りがちな罠が、「あまり走行距離を走っていないから、10年目のタイヤでも溝がたくさん残っていて安全だ」という思い込みです。
ロードサービスの現場出動データや整備士の証言によると、高速道路で発生するタイヤトラブルの約3割は「溝はあるのに経年劣化でトレッド面が剥離・破裂した車両」によるものです。走行距離が短くても、屋外駐車で直射日光や雨風に晒され続けたゴムは確実に酸化し、柔軟性を失っていきます。
タイヤ寿命と使用期限の目安として、JATMAは「製造後5年を経過したタイヤは専門店での継続点検を受け、製造後10年を経過したタイヤは溝の有無にかかわらず交換すること」を強く呼びかけています。
特に冬道で命を預けるスタッドレスタイヤ製造年の見方にはシビアな視点が求められます。スタッドレスタイヤは、氷点下の極寒環境でも柔らかさを保つ特殊な発泡ゴムを使用しています。この柔軟性は製造から3〜4シーズンで著しく低下します。溝の深さが半分以上残っていても、ゴムが硬化していれば凍結路面で全くグリップせず、スリップ事故に直結します。