長年にわたりTBSテレビを代表する大看板番組として君臨した『渡る世間は鬼ばかり』。その撮影現場は、一見すると温かな家庭劇の稽古場でありながら、一歩足を踏み入れれば独特の緊張感が漂う空間だったという。
確執が表面化したきっかけは、えなりかずき自身が過去にメディアで明かした衝撃的な告白だった。泉ピン子と一緒に画面に映るだけでじんましんが出るほどの強いストレスを感じていたという事実は、視聴者のみならず芸能界全体に大きなショックを与えた。幼少期から「小島眞」役として現場に通い詰めていた彼にとって、現場での厳しい指導や圧迫感は言葉にできないほどの重圧となっていたのだ。
一方の泉ピン子側は「可愛がっていたつもりだった」「愛情の裏返しだった」と語り、双方の認識には埋めようのない乖離が存在した。実際、後年のスペシャルドラマでは二人の直接的な絡みのシーンが極端に減らされ、別撮りや別シチュエーションでの撮影が常態化。撮影スタジオの楽屋配置や出入りする時間帯まで徹底して分けられるという、異例の「共演NG」体制が敷かれる事態となった。