シフォンケーキの骨格を握るのは、言うまでもなくメレンゲの質である。プロが推奨する卵白とグラニュー糖の黄金比率は「卵白100に対し、砂糖30〜35%」。砂糖を減らしすぎると泡立ちは早くなるものの、気泡の膜が薄く脆くなり、熱に耐えられずオーブン内で破裂・沈降を引き起こす。逆に砂糖が多すぎると重いメレンゲになり、比重が合わずに膨らみが悪くなる。
卵白は泡立てる直前まで冷凍庫のフチでシャリッと凍りかける程度(約マイナス1〜2℃)まで冷やすのが鉄則だ。砂糖は一気に加えず、低速と高速のギアを巧みに切り替えながら3回に分けて投入する。目指すべきは、ボウルを逆さにしてもびくともせず、ホイッパーを持ち上げたときに「先端がわずかにお辞儀をする程度のしなやかで緻密なツヤのある状態」である。ボソボソに泡立てすぎたメレンゲは、粉と合わせた瞬間に死滅し、キメの荒いパサついた焼き上がりを招く。