二人の関係の原点は、あまりにも鮮烈だった。箱から現れた愛らしい禰豆子の姿を目にした瞬間、善逸は見境なく愛を叫び、命がけで彼女を守ることを心に誓った。喜怒哀楽を剥き出しにして求愛する善逸の姿は当初コミカルに描かれていたが、その行動の根底には常に命懸けの誠実さがあった。
鬼の姿であった頃の禰豆子にとって、善逸は「珍しい黄色い珍獣」のような存在から、次第に「自分を命がけで守ってくれる頼もしい味方」へと変化していった。そして人間に戻り、言葉と感情を取り戻した際、善逸が向けてくれた無償の愛情と献身的な優しさが、彼女の心を静かに満たしていくことになる。単なる一目惚れから始まった情熱が、実を結ぶべくして実を結んだ美しい過程だ。