住宅購入を検討する上で最も注視すべきは、変動金利の将来予測と返済額の変動です。多くの金融機関で採用されている「5年ルール(金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置く)」と「125%ルール(見直し後の返済額は前回の1.25倍を上限とする)」は、一見すると借り手を守る防波堤のように見えますが、内実は単なる「支払いの先送り」に過ぎません。
金利が急上昇した場合、毎月の返済額が変わらなくても、その内訳である「利息分」が激増し、「元本」が全く減らない状況に陥ります。最悪の場合、支払うべき利息が毎月の返済額を上回る「未払利息」が発生し、将来の返済期日に一括請求されるリスクを孕んでいます。
実際に借入金額別の影響を試算した以下のデータをご覧ください。
試算から明らかなように、借入額が大きくなるほど金利上昇時の月額負担は跳ね上がります。特に借入8,000万円以上の世帯では、金利が1.5%〜2.0%程度まで上昇しただけで、年間数十万円規模の手取り収入が吹き飛ぶ計算です。
金融機関の審査基準である「額面年収に対する返済比率30〜35%」を鵜呑みにし、住宅ローン返済比率の限界に挑むような資金計画を立てていた場合、5年後・10年後に待っているのは苛烈な家計の緊縮か、あるいは家を手放さざるを得ない厳しい現実です。