世界三大がっかりはなぜ誕生?現場検証で見えた真相と現在のリアル

世界三大がっかりはなぜ誕生?現場検証で見えた真相と現在のリアル

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「世界三大がっかり」という言葉をめぐる最大の盲点は、このフレーズが海外では全く通用しない和製コンセプトであるという事実です。英語圏で「The Three Disappointments of the World」と尋ねても現地の人々は首を傾げるばかりで、海外の大手旅行ガイドやメディアにこのようなカテゴリーは存在しません。

この呼び名が誕生した歴史と経緯を紐解くと、高度経済成長期からバブル期にかけての日本の海外旅行ブームに行き当たります。当時、大手旅行会社が企画したヨーロッパ周遊ツアーや東南アジア周遊ツアーでは、限られた日程の中で「有名観光地を効率よくバスで巡る」スタイルが主流でした。過密なスケジュールの中で、バスから降ろされ「滞在時間10分で写真だけ撮って再出発」という慌ただしい鑑賞スタイルが定着した結果、文脈や文化を味わう余裕もなく、サイズ感だけの印象が先行して「なんだ、これだけか」という落胆を生み出しました。

それが旅行雑誌や旅のエッセイ、テレビ番組などを通じて語り継がれ、日本人の間で「定番のネタ」として一人歩きしていったのが真相です。

議論が分かれる「世界四大がっかり」と「日本三大がっかり名所」の存在

旅人の間では、三大にとどまらず「世界四大がっかり」として4つ目を追加する議論がしばしば交わされます。候補として頻繁に名前が挙がるのが、オーストラリア・シドニーの「オペラハウス」(内装や遠景のギャップ)や、ドイツのライン川下りで有名な「ローレライの岩」(巨大な伝説の岩山を想像するとただの小高い崖に見える)です。

さらに国内に目を向ければ、「日本三大がっかり名所」として高知の「はりまや橋」、札幌の「時計台」、長崎の「オランダ坂」(または沖縄の「守礼門」)が挙げられます。これも世界三大がっかりと全く同じ構図であり、「近代的な大都会のビル街の中にポツンと残された歴史的遺構」に対して、雄大な自然や壮大な建築を妄想した観光客の期待値エラーによって名付けられたものです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。