フィンランドの国旗法(Laki Suomen lipusta)では、旗の色彩や寸法がミリ単位の幾何学的比率によって極めて厳密に定められています。民間で自由に掲揚できる「国民旗(市民旗)」の全体プロポーションは、縦横比「11 : 18」です。
この比率の内訳は、縦が「上段白 4 : 青十字 3 : 下段白 4」(合計11)、横が「竿側白 5 : 青十字 3 : 風側白 10」(合計18)となっています。青い十字の太さを基準にして計算し尽くされたこのレイアウトは、風になびいた瞬間に最も美しく見える視覚補正が考慮された設計です。
さらに注目すべきは、十字の中央に四角い紋章が組み込まれた「国家旗(政府旗=Valtiolippu)」の存在です。大統領府、国会、裁判所、各省庁などの公的機関で掲揚される旗には、交差部分に真紅の正方形が配置され、その中に「フィンランドの国章である黄金のライオン紋章」が刺繍されます。このライオンは、右手(前脚)で銀色の西洋剣を振り上げ、後脚でロシア(東洋)の湾曲したサーベルを踏みつけている意匠となっており、自国を踏みにじろうとする侵略者への徹底抗戦の気概を示しています。