専門用語としての「自力」には、日常生活とは異なる明確な法規範や故事成語が結びついています。
法律用語「自力救済」とその反対語「公力救済」
法学における「自力救済(じりききゅうさい)」とは、自己の権利を侵害された者が、裁判所などの公的機関の手続きを経ずに、自らの実力行使によって権利を回復することを指します。たとえば、家賃を滞納した賃借人の部屋の鍵を勝手に交換して締め出したり、盗まれた自転車を相手から力ずくで奪い返したりする行為が該当します。
近代法秩序規律において、私闘や社会的混乱を防ぐため「自力救済は原則として禁止」されています。その対義語となるのが「公力救済(こうりょくきゅうさい)」であり、民事訴訟や民事執行手続きを通じて国家機関が法的に権利を保護・執行する仕組みを指します。
「自力」「他力」に関連する四字熟語の対比
- 自力更生(じりきこうせい):他人に頼らず、自分の力だけで立ち直り、生活や事業を立て直すこと。
- 他力更生(たりきこうせい):自らの力ではなく、外部からの支援や指導、環境の変化によって再生すること。
- 孤軍奮闘(こぐんふんとう):援軍のない孤立した状況で、自分一人の力で懸命に戦うこと(自力の実践)。
- 付和雷同(ふわらいどう):自分自身の確固たる考え(自力)を持たず、他人の意見に無批判に従うこと(他力への盲従)。